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Jacob Stainer

Violin Maker  c.1617-1683
AbsamGermany

ヤコブ・シュタイナーはオーストリア/ジャーマン系の最も優れたヴァイオリン製作者であった。作風に強い共通性が見られることから、彼はニコロ・アマティの弟子であったと長い間考えられてきた。最近の研究では、教会記録にシュタイナーがアマティ家の弟子であった記載が一切無いことから、疑問視する声も上がっている。一方で、教会記録自体が、1641年になってようやく導入されたものであり、シュタイナーは既にアマティの工房を離れていた可能性も示唆されている。
 
シュタイナーの最も初期の作品は、1630年代後半まで遡る。その後20年間に渡り、各地を転々としていたようであるが、1656年に生地アブサムへ戻り、工房を構え定住する。初期は比較的高いアーチを持つ楽器を製作したが、1665年頃からはアマティのグランド・パターンから影響を受けて、よりフラットなアーチの優れた楽器を製作した。
 
当時ストラディヴァリを凌いで最も優れたヴァイオリン製作家として名を轟かせたシュタイナーの影響力は広範囲に及んだ。イタリアのヴェネツィア派、フローレンス派に始まり、イギリス、ドイツ、オーストリアにおいても、シュタイナー・モデルの楽器が製作された。この影響力は、ストラディヴァリ・モデルの流行がに主流となる18世紀後半まで続いた。各地でシュタイナー・コピーが数多く製作されたが、そのほとんどは特徴を誇張しているため、オリジナルの持つ繊細さと優美さに欠ける。