■日曜・月曜定休
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後楽園駅
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KORAKUEN Station (M22, N11)
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KASUGA Station (E07)
ヴィヨーム氏やジャンセン氏ほどの優れた判別能力を以ってしても、しかもメーカーの特徴が顕著であっても、時として楽器の鑑定を誤ることもあるという事実は、おそらく読者の皆さんも驚かれるに違いない。しかし、その当時は英国派の製作者の名前はほとんど海外に知られていなかったのである。
しかし面白い事実がここにある。イタリアやフランスのメーカー達、例えば、ヴィヨーム兄弟、ガン、シャノ、パノルモ、フェント、モウコテル等はロンドンに行ってそこで製作をしていた時期があり、これはすでに良く知られている事実である。だからと言って、彼らが英国の製作者だと思う人はいないだろう。ヴィヨーム自身でさえ、英国には現在・過去共に優れたメーカーが存在したことはないと言い、その事実も認めたがらなかった。
この件に関して、7~8年前にあった出来事をもう1つ書こう。
ある日、パリ随一の楽器商を訪れたときのことだ。私が店に入っていくと、すれちがいざまに、1人の紳士が出ていった。店員は私に、テーブルの上に置かれた1本のヴィオラを見せながらこう言った。「今の紳士に、この楽器がアマティ派のイタリア名器として売れたところだ」店員は私が同調するものと思っていた様子だったが、私は「いえ、これは英国製ですよ」とありのままに言った。