■日曜・月曜定休
Closed on Sundays & Mondays
10:30~18:30
112-0002 東京都文京区小石川2-2-13 1F
1F 2-2-13 Koishikawa, Bunkyo-ku,
Tokyo 112-0002 JAPAN
後楽園駅
丸の内線【4b出口】 南北線【8番出口】
KORAKUEN Station (M22, N11)
春日駅 三田線・大江戸線【6番出口】
KASUGA Station (E07)
その代表的なものが、アムステルダムで1998年から毎年開かれている運河音楽祭(Grachtenfastival)です。昨年も同連載にてご紹介しましたが、公園で、運河沿いで、35歳以下の若手音楽家たちが熱演を繰り広げるというもので、今年は8月11日から20日まで開かれました。
最終日を飾る公演は、アムステルダム北西部にあるウェスター公園の大きな広場の特設ステージで行われました。参加は無料で、広場には20代や30代の若者も多く含む300人近くが集まり、芝生の上に寝転んだり、持参したキャンピングチェアーに腰かけたり、タオルを敷いて座ったりしながら、オランダの若手音楽家たちの演奏にじっと耳を傾けました。
まず、今年の運河音楽祭のレジデンス・アーティストであるピアニストのニコラ・メーウセン(Nikola Meeuwsen)が登場し、同音楽祭の期間中に連日の演奏会を経験し、「濃密な日々を過ごした」と語りました。
開放的な空間で演奏されるのは、本格的な室内楽の名曲です。まず、ラヴェルのピアノ三重奏をメーウセン(ピアノ)、ノア・ウィルドシュット(Noa Wildshut)(ヴァイオリン)、アレクサンダー・ワレンベルク(チェロ)が演奏。ワレンベルクは昨年のレジデンス・アーティストで、ヴァイオリンのウィルドシュットも2001年生まれのオランダ国内で随一の注目を浴びている若手演奏家です。
ラヴェルに続き、来年のレジデンス・アーティストが発表され、短い曲が披露されました。最後に演奏されたのは、シューマンのピアノ五重奏曲。メーウセン、ウィルドシュット、ワレンベルクにシン・シハン(ヴァイオリン)、近衞剛(ヴィオラ)が加わり、躍動的で表現が自由に変化する演奏が繰り広げられました。広場の聴衆はリラックスしながら、音響機器を通して聞こえてくる演奏に耳を澄ませます。
リズミカルな箇所では、座ったまま小さく踊りだす年配の女性の姿もありました。人によって音楽の楽しみ方はそれぞれ異なり、屋外ではずっと自由度が高いように感じられます。
演奏中は楽章ごとに拍手が巻き起こり、普段クラシック音楽を聴いていない人も演奏を楽しんでいることが明確に伝わってきました。
あたたかい太陽の光を浴びながら、弦楽器のなめらかな音やピッツィカートの響きに耳を傾ける時間は、なんとも心地よいものです。時折ひんやりした風が吹き、木々の緑が大きく揺れます。野鳥のさえずりと音楽とが混じって聞こえてくるのもとても新鮮でした。自然と音楽がひとつながりに感じられるのも、屋外コンサートの醍醐味です。