文京楽器は、2022年5月よりイタリア・クレモナの楽弓工房
LUCCHI CREMONA(ルッキ・クレモナ)が手がけるヨーロッパ産高品質馬毛
「LUCCHI SPECIAL」(ルッキ・スペシャル)の日本国内販売の総代理店となりました。既に多くの演奏家に愛好されている、ルッキ・スペシャル馬毛の販売をさらに広げてまいります。
LUCCHI CREMONAの創業者 ジョヴァンニ・ルッキ(Giovanni Lucchi, 1942-2012)は、コントラバス奏者としてイタリア国内外のオーケストラで活躍しておりました。当時イタリアには、楽弓作家が不足不足していたこともあり、彼は30年近くも弓の毛を自分で交換していました。
ジョヴァンニは、ボローニャのヴァイオリン製作者オテッロ・ビニャーミ(Otello Bignami)に弓製作の基礎を学び、1971年頃から楽弓製作と修理をより本格的に学ぶべく、スイスの楽弓作家、ジークフリート・フィンケル(Siegfried Finkel)のもとで研鑽を積みました。
ほどなくしてジョヴァンニの作る弓の評判はオーケストラ奏者や音楽家たちに広がり、彼のもとには弓の注文や修理調整の依頼が舞い込むようになりました。
1976年、クレモナに国内初の楽弓製作学校が創設され、ジョヴァンニはそこで教鞭を取りました。彼自身がプレイヤー出身だったこともあり、「良い音色」をつねに求めて研究に取り組み続け、伝統的な弓製作の分野に、最新鋭のテクノロジーを積極的に取り入れました。その結果、1981年に音響メーターである「ルッキメーター」で特許を取り、「美しい音」を奏でる為の倍音を割り出す"ルッキ・サウンド"が誕生したのです。
ジョヴァンニ・ルッキの楽弓作りに対する哲学、素材を選ぶときの厳格さ、そして最高のものを作り上げるためのあくなき精神は、彼の子ども達へと受け継がれております。