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女性製作家の時代「吉田 朗子」

吉田朗子は6年半のクレモナでの留学を経て、文京楽器の修理工房で、修理やメンテナンスを行うほか、自宅で製作活動を続けている。
「留学後、修理の知識と技術を勉強し経験を積みたいと思い、就職しました。様々な楽器に触れ、修理を経験できる今の環境がとても恵まれていると思っています。製作は自宅で、平日夜や休日に。クレモナで集めた作業台や道具などがあるので、一部屋を作業部屋にして行っています」

―弦楽器製作者を志したきっかけを教えていただけますか?

「小学生の頃からヴァイオリンを習っており、弦楽器自体が身近でした。また、手で何かを作ることが昔から好きだったため、楽器製作の専門学校に進学しました。専門学校卒業後、クレモナへ留学したのち、文京楽器の修理工房に就職しました」
―製作者として喜び、やりがいを感じるのはどのような瞬間ですか?

「自分の手で作り上げたものが音を出す楽器として出来上がり、演奏家の方に弾いていただき、音楽を作り出すための道具としての役割を果たした時にとても達成感を感じます。弦楽器は楽器であると同時に芸術的要素も含んでいると思いますので、自身が作りたい音、そして見た目を実現することは難しいですが、その分とてもやりがいがあります」

―製作の上で、苦労する点はありますか?

「技術力の向上と経験の蓄積。技術力と経験値は一朝一夕で身に付くものではないので、日々作業をしていく中で完成度を高め、知識を深めていくしかないと思っています」
―今後、挑戦したいことを教えてください。

「イタリアと日本で、社会の中での弦楽器の認知度が違うと思うので、日本でももっと身近に感じていただけるように、認知度を上げて行ければと考えています」

今回の展示会には、日本人製作家のヴァイオリン作りについて、より多くの人に知ってもらう機会を増やしたいという熱い思いもこめられているようだ。
吉田 朗子(よしだ あきこ)
代官山音楽院を卒業後、渡伊。クレモナ国際弦楽器製作学校を卒業後にアカデミア・クレモネンシス楽弓製作コースを修了。その他、クレモナ市内のマッシモ・アルドリの工房やスラヴィエロ工房にて楽器製作・楽弓修理を学ぶ。2019年に日本に帰国、文京楽器に入社。現在は修理やメンテナンスを中心に担当。
取材・文 安田真子