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アンナ・エディガーさんによるレストア・ワークショップを開催しました!


アンナさんがウイーン・フォルクスオーパー交響楽団と共に年末年始に来日する」との情報を、ニューヨークの著名ディーラー、クリストフ・ランドン氏から入手。

世界トップレベルの修復家の話を聞きたいと講義を依頼し、文京楽器グループ技術スタッフのためのレストア(修復)・ワークショップが実現しました。

アンナ・エディガーさんは、ドイツのヴァイオリン製作学校を卒業後、ドイツ、スイス、ウイーン、ニューヨークの有名工房で研鑽を積み、徐々に修復のエキスパートとしてのキャリアを確立しました。ウイーン時代には、「修復に科学的な知識が必要」と大学で学び直した異色の経歴の持ち主でもあります。

化学に基づいた的確なアプローチとバイオリン芸術への深い造詣に裏打ちされた、確かな修復技術に定評があります。著名鑑定家からの信頼も厚い、世界でも珍しい女流修復家です。

現在は、ウイーンに戻り独立して修復工房を構えています。
小田原の製作部門スタッフを含む 総勢8名が参加

最初に、修復に対する心構えの話から始まりました。それは、「人類の文化遺産であるオールド・ヴァイオリンの名器をいかに適切に後世に引き継いでいくか」というもの。

具体的には「過去に行われた間違った修復をいかに取り除き、オリジナルのみを残して適切な修復を行う」というものでした。近年の価格の高騰により大変高価になったオールド・イタリアンの名器は、優れた道具の域を完全に凌駕し、絵画に近づき芸術品になったとの印象を抱くとともに、後世に適切に引き継いで行くという気概に、ヨーロッパ文化の伝統と奥深さを再認識しました。
科学で楽器を修復する

次に、修復の理論編について。ニスを構成する樹脂、オイル、溶剤の化学的な特性に始まり、ニス乾燥のメカニズムなどに関する説明を受けました。

適切な科学的知識がなければ、正しい修復は行えないとの考えで、講義は分子構造や化学式にまでおよび、やや難解で理解するのに大変でしたが、これまで私達が経験的に学んで来たアイデアを整理できたことは大変有意義でした。
UVライトでニスを見分ける

続いては実践編。弊社にあるオールド・イタリアンの名器を数本用意し、UVライト(紫外線)下でのオリジナルとそうでないニスの見分け方についてレクチャーを受けました。

紫外線下において、ニスは可視光線下とは異なる表情を見せるのですが、それを利用して判断を下していきます。豊富な経験に裏打ちされた的確な見方は、とても勉強になりました!

その他にも、実際のリタッチングの工程や最新の修復技術やそれに使用するマテリアルについても情報交換を行いました。

「世界トップレベルの修理・修復工房」を目指しています

今後も連絡を取りながら、お互いに修復技術を高めて行こうと約束をし、ワークショップは無事終了。アンナさん、忙しいスケジュールの合間を縫っての“充実した”レクチャーをありがとうございました!
 
「世界トップレベルの修理・修復工房」を目指す文京楽器では、こうした最新技術やノウハウをどんどん取り入れながら、常に進歩を重ねて行きます。

修理や修復でお困りの方、相談がある方はお気軽に文京楽器までお問い合わせ下さい。

アンナ・エディガーさんについてはこちら。
http://www.annaediger.com