■日曜・月曜定休
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KASUGA Station (E07)
ーこんにちは。今回は何度目の来日ですか。
もう6回目になります。そのうち2回はウィーン・フィルのメンバーとして来日しています。
ー日本の印象はいかがですか
私は日本が大好きです。景色もきれいだし、人々は暖かくて優しいし…食事もおいしいし...お刺身、お寿司大好物です。
ーそうですか。コントラバスのゲイリー・力ーさんも同じことをおっしゃっていました。(笑)
あっ、彼のことはよく知っています。そうでしょう!(笑)…僕はウィーンにいても、月に1回はおいしいお刺身を買ってきて食べるんです。
ー向こうでも売っているのですか。
ええ、特別の店があるんですよ。(笑)
ーところでコントラバスは何をお使いになってますか。
私はウィーン製のコントラバスが好きなんですね。(笑)それで、室内楽の時はシュタドルマン(Johann Joseph Stadlmann)の1779年製を使っています。これは音色がソフトで室内楽には最高なのです…でもソロには高い弦の方に輝きがないから向きませんね。
ーオケの時はどうしてますか。
オケではもちろん別の楽器です。これもウィーン製のバスで、200年位前の古い楽器ですが…これはウィーン・フィルに所属しているものです。
ー弓は何を使っていますか。
30年位前に作られたフレッチナーです。
ー-ージャーマン・ボウをお使いなのですね。バス弓のフレンチ・ボウとジャーマン・ボウは、それぞれどんな特徴があるのですか。
私にとって、ドイツ式で弾くのは心地よいのです。私はもともとオブシェツェ氏やアウエスペルグ氏、シュトライヒャー氏のラインで学んだからでしょうね。でもフランス式もエレガントで好きですよ。いずれにしても、どちらの方式をとるにしても、上手に弾くことが肝心なのではないでしょうか。
―楽器を選ぶ時、どんなことが大切だと思いますか。
えーと...そうですね…すべての楽器はそれぞれ特別の個性を持っていますね。だから自分の好きな音色を探すということだと思います。オールドと言われる古い楽器だと多少の傷もあるでしょうが、なるべく健康状態の良い方がいいですね。
ーポッシュさんにとって音楽とはなんでしょうか。
私にとって音楽はとても大きな"部分"です。10歳で音楽をはじめ、コントラバスを習い始めたのは14歳でした。"これぞわが人生"という感があります。オペラで弾くのも、シンフォニーでも、ブルックナーでもベートーヴェンでも、いつでも"気分は最高"なのです。(笑)
ー現在、オケと、室内楽、ソ口とご活躍ですが、三つの違いについてはどうお考えですか。
オケは…そうですね…この場合一人の人は、その一部分であり、一員ですね。全員一緒で一つの音を作るわけです。ウィーン・フィルの場合8人のコントラバスがいて、グループになっていますが、全員が全く同じ音で同じように弾けるように、リーダーのもとにまとまらねばいけないのです。
ー室内楽はどうでしょう。
ソロとオケの中間的な要素とでもいいますか。ソロの場合、まずは楽器をかえなくてはなり間ませんね。これがまず第一でしょう。まず音が違わなくてはいけませんから。
ー自分をよりダイレクトに表現するのですからね。
そうですね。その点、室内楽は各パートから一人ずつが集まっているわけでしょう。私の場合、コントラバスは軸の役割をしなければいけないと思っています。…例えば、ジャズバンドでいうと、音楽とは何でドラムスとバスが受け持つパートですよね。室内楽でもコントラバスがスイングを受け持つものだと私は思っています。ドラムはありませんものね。(笑)
ージャズはお好きなのですか。
ええ。15歳ごろジャズを弾いていたこともあるんですよ。ジャズの感覚はとても重要だと思います。ジャズはとてもフリーでしょう。クラシックはすべて音符ですよね。この音符と音符の間に何を見つけるか、何を表現するかがとても 大切なのです。
―音符と音符の間ですか...。
そうです。その一つ一つの音符と音符の間に“フリー“を見つけるのです...だって音符そのものは、音楽を造らないでしょう?
―構成はしますね…。
そう、まさにそうなのです。スフォ ルツァンドとか、クレシェンド、ディミ二エンドなど、これは楽譜に書かれていることですので、演奏家は当然しなければいけませんよね。
大切なことはその他に何を見るか、何を表現するか...です。例えばその解釈がベストとはいえないかもしれないが、その時こころで感じるものを表現すべきだと思います。
...話は違いますが、楽器はすごく敏感でしょ。湿度とか、温度とか、だから楽器を弾くのはまるで恋人を扱うようなものですよ(笑)
ーお忙しいところ、ありがとうございました。今晩のコンサート、楽しみにしています。
ぜひ聴いて下さい。