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Azzo Rovescalli

Violin Maker  1880-1941
CremonaItaly

アッツォ・ロヴェスカッリは、モダン(近代)・ミラノ派の製作家。1880年にクレモナで生まれ、父親の影響で幼い頃からヴァイオリン演奏に親しんでいました。青年になると父親の薦めもあってミラノで働きはじめ、当時ミラノで工房を構えていたヴァイオリン製作家のレアンドロ・ビジャッキと知り合います。やがて工房にも出入りするようになり、アントニアッツィ兄弟(リッカルドロメオ)からヴァイオリン製作を学びます。

製作を学びながら、ミラノ音楽院で演奏を学び続け、プロフェッショナルとして海外で演奏するほどの腕前でした。その後ロヴェスカッリは、ロディ、クレマと拠点を移しながら、ヴァイオリン製作を続けます。ミラノのモンズィーノ(Monzino)工房のために製作していたこともありました。また、息子のトゥリオは、父親の影響からヴァイオリン製作者になりました。

彼の製作スタイルは、ロメオ・アントニアッツィに大きな影響をうけています。そのため、初期の作品では、アントニアッツィと質の近い、黄色〜オレンジ系の柔らかく透明感のあるニスが塗られています。後期になると、やや不透明の赤茶系のニスに変わっていきます。

作品によっては、”AR”の焼印がボタン等に押されることがあります。


アッツォ・ロヴェスカッリ 1920年 ミラノ製

このヴァイオリンは、ミラノで製作をしていた初期の作品です。ロメオ・アントニアッツィの影響が色濃く見受けられます。スクロールやエッジワークの力強さや、黄色〜オレンジ系の透明感あるニスなどがそれです。

初期の作品のため、細工面では行き届いてない部分もありますが、自らがかなりの腕前でヴァイオリンを演奏できたこともあり、表板のアーチが良く楽器としての構造に優れています。音量も申し分がなく、音色が良い表現力の高いモダン・イタリアンのヴァイオリンです。