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Giuseppe Ornati

Violin Maker  1887-1965
MilanItaly

20世紀ミラノ派の優れた製作者のひとりであるジュゼッペ・オルナーティは、カルロ・モネータの下で製作を学んだ後にビジャッキ工房へ加わり、ガエタノ・ズガラボット、ビジャッキファミリーらと共に働いた。彼の丁寧で精緻な技術は当時の製作者の中でも卓越しており、ビジャッキ工房の為に数多くの楽器を製作し、また楽器修復の仕事も依頼されることがあった。1919年頃までビジャッキの下で働いたとされ、その後独立した。

オルナーティの作品にはビジャッキスタイルの影響が見て取れるが、一方で伝統に縛られた模倣ではない、自由なインスピレーションに基づく個性を発揮して自らのスタイルを確立していった。優美な曲線を描くアウトラインを際立たせる深い掘りの縁周りや、C部の長いコーナーは彼の初期にしばしば見られる特徴で、中後期にかけて次第に緩やかに変化していく。赤橙色のニスは非常に美しい質感で仕上げられ、経年変化によるカラカーレ(ひび割れ)を帯びるものがある。
彼は製作者としてだけではなく、教育者としての功績も非常に大きい。伝統的な製作技法が失われていた1960年代のクレモナで、彼やF.ガリンベルティらの製作指導を受けたG.B.モラッシー、F.ビソロッティ、R.スクロラベッツァらが、20世紀後半からのイタリア楽器製作界を牽引していった。