楽器を選ぶとき重視するポイントはありますか?
「単純なんだけど、プレイヤーは楽器のことはわからないから、楽器のことは楽器屋さんに任せた方が良いっていうのが俺の意見。
俺らは、与えられた材料で最高の音楽を、というスタンスなんだよ。あれが欲しいとか言い出したところで、いつでも好きに選ぶなんてもともと無理だと思ってる。自分の予算もあるし、タイミングもあるし、お金があっても楽器がないときもあるし。
そう考えると、実際に楽器を動かしているのは楽器屋さんなわけだから、その中でプレイヤーのためを考えて『今このくらいの楽器を持っていた方が良いよ』とか言ってくれるわけで、楽器屋さんとの信頼関係が大切だよね。」
なるほど。しかしその中でもご自身である程度考慮されるポイントがあるかと思いますが?
「ほんの20年前までは、日本にはほとんど良い楽器がなかったから、良い楽器がどんなものかみんな全然わからなかった。ところが今は良い楽器が日本にもずいぶん沢山入ってきた。だから、良い楽器を見られるときはチャンスだと思って、普段から積極的に見た方が良い。そうすれば、偽物なんか買いようがないんだよ。風格も音もすべて本物が良いに決まってるんだから。
あと、気にしなきゃいけないのは、その楽器が後で売れるかどうか。それが一番重要だよね。『販売価格で引き取りますよ』なんて言われて持って行っても、『売れませんでした』で終わってしまうから、真実味のある下取り基準のある店かどうか、それと、販売価格自体が相場に見合っているかどうか、ある程度自分自身で見極めなければいけないね。」
生徒さんや知り合いから楽器選び全般の相談を受けたとき、どんなアドバイスをされますか?
「まず、健康状態だよね。裏板が割れてないことが重要。気に入ったら買った方が良いけど、価値通りの値段なのかどうかは考えないとね。どこでも適正な評価で下取りしてもらえる、リセールできる楽器なのかどうか。あとは信頼できる楽器屋さんなのかどうか。俺は楽器屋さんをあれこれ評価する立場ではないけど、一応どこの楽器屋さんか聞いて、あまり評判の悪いところだったら、『やめておいた方が良いんじゃない?』くらいは言うかもね。」